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2013年10月30日 (水)

茶色の朝(絵本)

為末大さんのホームページ「為末大学」で紹介されていた絵本「茶色の朝」(フランク・パブロフ著、ヴィンセント・ギャロ絵、高橋哲哉メッセージ、藤本一勇訳/大月書店2003.12発行、1000円+税)を読みました。

絵本と言いますか、寓話です。薄い本ですので、ちょっとした時間があればさらっと読めます。

さらっと読めますが、実は、深いです。そこでゆっくり読みなおしました。

すると、いろんなことが見えてきました。

ある朝、黒い猫を飼っていた「俺」は、茶色以外の色の猫と犬を飼うことが禁止され、安楽死させなければならなくなったことを知る。

ちょっと気になったが、茶色の猫や犬を飼えば済むのだから、と目をつむる。そして黒い犬を飼っていた友人のシャルリーと、コーヒーを飲みながらテレビを観るような生活を続ける。

ところが少しずつ小さな変化が起きて行く。

「茶色党」に批判的な新聞が廃刊にされたときは、茶色新聞を読めばいいと納得したし、その新聞社の系列出版社の本が図書館から撤去されたときも「やり過ぎはよくない」と思ったけど、なんにでも「茶色」と言う言葉を付け加えればいいのさ、と受け入れる。

それでも暮らしはそんなに変わらなかった。茶色に守られた生活も悪くない、と思う。

シャルリーは茶色の犬を、「俺」も茶色の猫を飼いはじめた。

ところが突然、シャルリーが、前に黒い犬を飼っていたことで逮捕される。テレビでは多くの人々の逮捕を報じていた。

「俺」はなぜ抵抗しなかったのかと悔やむが、仕事やらなにやらで忙しかったし、政府の動きは素早かったし、誰でもごたごたはいやなのだし、と思う。

そして翌朝、外は茶色。「俺」の家のドアをノックする音がする・・・。

「茶色」は、ヨーロッパではナチスや極右政党をイメージさせる色、といった解説を読まなくても、この物語の寓意性は、今の日本にも置き換えることができると思います。

たいへん示唆に富んだフレーズがいくつも登場するのですが、それは、これから読むかたのために、触れずに置きます。

何よりも、例えばこの物語で「茶色」に象徴されているような極右政党の活動家や熱狂的支持者ではなく、一般市民が、いつ、なにを、なすべきなのか? そのことを示していると思います。

そして、絵がいいです。しばらく観惚れてました。日本版発行に伴い、指し絵の点数が増やされたんだそうです。

また、本文の後に付けられた高橋哲哉さんによるメッセージも、考えをまとめるのにいいと思います。

ちなみに本の帯に書かれたコピーが、この本をよく表しています。
「考えることを放棄してはならない。それは知性と感受性の後ずさりを意味する。非情な時代を深く生きるために。」

いい本でした。

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b51933.html

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