« 2016年8月の店休日等のお知らせ | トップページ | 「字幕屋の気になる日本語」(本) »

2016年8月 2日 (火)

「東海道四谷怪談」(本)

夏と言えば「怪談噺」。

と言う訳で、鶴屋南北作「東海道四谷怪談」を、新潮日本古典集成(第45回)で読んでみました。

去年と今春の二回、歌舞伎の舞台を観たのがきっかけで、原作にあたってみたくなったのです。

現代の上演においては、初演のころのまま上演されることはほぼありません。

時代とともに、演出が洗練されて行ったことや、そもそも二日間の興業として作られた長時間の演目であり、複数のストーリーが並行して語られるという複雑さもあって、これを一日公演として上演するにあたって、省略が行われたこと、などの要因があると思います。

上に書いた、私が観た二回の公演も、演出の違いから、上演される幕も違いがあるなど、相当、違っていました。

今回読んだのは、初演の頃の台本を、現代語釈付きで編集されたもの。鶴屋南北の書いた原作に近いものです。語釈や現代仮名遣いも、痒い所に手が届く親切さで、とても読みやすいものとなっています。

と、ここまで作品の概要を触れて来ましたが、とにもかくにも、面白い!!

これぞ、エンターテイメントです。

庶民の生活をリアルに見せる。

忠義とか、仇討ちとか言った既成の価値観を「古い」と言って憚らない。

当時流行したり、話題になっていた事件を、次々と取り入れる。

笑わせる。

人情を揺り動かす。

かっこいい。

怖がらせる。

官能を響かせる。

舞台トリックを駆使して驚かす。

絡み合ったストーリーで飽きさせない。

名優たちの魅力を引き出す「あて書」で沸かせる……。

ちなみに、ご存知の方も多いとは存じますが、「東海道四谷怪談」は、「忠臣蔵」の裏史として描かれた作品です。

このため、初演時のラストとなる『本所蛇山庵室の場』は、雪景色の中で描かれますが、現代では、お盆の季節に変えて上演されることもあります。

また、なかなか上演されませんが、ラストで討ち入りの幕を描く演出もあります。

ところが初演時には、この幕はありませんでした。これは初演時、『仮名手本忠臣蔵』と『東海道四谷怪談』を相互に上演するという公演方法を取っており、ラストは、『仮名手本忠臣蔵』の討ち入りの幕だったためです。

『東海道四谷怪談』の討ち入りの幕は、単独上演となって以降に、新たに追加されたものです。とはいえ、この追加された幕も、今ではほとんど上演されませんが・・・。

とにかく、すごい作品です。

江戸時代に、こんなに『超面白い』作品を書き上げ、上演した先人に脱帽。

拍手!!

新潮社HP : http://www.shinchosha.co.jp/book/620345/

amazon : https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%9B%9B%E8%B0%B7%E6%80%AA%E8%AB%87-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%A4%E5%85%B8%E9%9B%86%E6%88%90-%E7%AC%AC45%E5%9B%9E-%E9%B6%B4%E5%B1%8B-%E5%8D%97%E5%8C%97/dp/4106203456

amazon : https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%9B%9B%E8%B0%B7%E6%80%AA%E8%AB%87-1981%E5%B9%B4-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%A4%E5%85%B8%E9%9B%86%E6%88%90-%E9%B6%B4%E5%B1%8B-%E5%8D%97%E5%8C%97/dp/B000J7WHLY

・・・・・・・・・・・

リラクゼーションは「癒し人」☆

http://www.p-kit.com/hp/iyashibito/

予約状況は下記ページをご参照ください。
 http://www.r326.com/b/main.aspx?g=K7ic9ZH46bkk4HGW1
 (予約状況は、ご予約変更等によって、変わることがあります)   
 (なるべく迅速な更新に心がけていますが、最新の状況が反映されていない場合がありますので、あらかじめご了承ください)

« 2016年8月の店休日等のお知らせ | トップページ | 「字幕屋の気になる日本語」(本) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1225642/66743634

この記事へのトラックバック一覧です: 「東海道四谷怪談」(本):

« 2016年8月の店休日等のお知らせ | トップページ | 「字幕屋の気になる日本語」(本) »